……?
廊下から誰かの声が。
人数は……二人……?
その声は。
だんだんこちらに近付いてくる。
もしかして。
この教室に向かっている……?
だけど、それだからといって特にどうってことはない。
私も忘れ物をして戻って来ているように。
その人たちも何かの理由で戻って来るのだと思う。
だから、その人たちが教室に入って来ても、挨拶をしてすれ違えばいいだけのこと。
そう思っていると……。
え……。
この声って……。
声が良く聞こえてくるようになり。
その声が誰なのか、わかるように。
声の正体は。
南風だった。
そして。
もう一人は。
女の子……。
声の正体がわかったとたん。
急に焦りを感じてしまって、あたふたしてしまう。
このまま教室を出てしまうと確実に南風たちと顔を合わせてしまう。
それは、なんだか気まずい。
本当はそう感じる必要はないのかもしれない。
けれど、そう感じてしまう。
どうしよう。
どこに隠れれば。
そう思い、教室内を見渡す。
けれど、隠れられそうなところがどこにもない。
だけど、どこかに隠れなければ。
……あっ。