「……意識……」


 激しい胸の鼓動と真っ赤になっている顔。
 それらと闘っていると。
 雅陽が静かに口を開いた。


「……して……くれて……いるの……?」


 え……。


 意識……。
 雅陽に……?


 雅陽の口からその言葉を聞いたとき。
 胸の鼓動と顔に集中している熱がより一層勢いを加速させた。


 それらは、あまりにも激し過ぎて。
 身体に大きな負荷がかかってしまい。
 最悪、気を失いそうなくらい。


「彩ちゃん……」


 私が今、そんな状態になっている。
 そのことを知らない雅陽。


 雅陽の手が。
 私の頬にやさしく触れる。

 私を見つめる瞳も。
 色を含んでいる。


 その瞳は。
 まるで魔法。

 吸い込まれていく。
 雅陽の美し過ぎる瞳に。


 そして。
 激しい胸の鼓動。

 それは治まることはなく続いている。


 顔に集中した熱も。
 冷めないまま。

 それどころか。
 より上昇していて。
 このままだと本当に気を失ってしまいそう。



「改めて言う。
 好きだよ、彩ちゃん」


止まらない。
 ドキドキが……。


「……もう、止められない……」


 今の雅陽は。
 中学二年生の雅陽ではなく。
 かなり大人びて見える。


 雅陽の顔が。
 ……唇が……。