ああ、最悪だ。
紫音は見慣れた天井を睨みつけながら再び寝返りを打つ。エアコンをほどよく効かせているが、寒いのか熱いのかわからない。
紫音は久しぶりに発熱して寝込んでいた。おそらくここ数日の疲れが出たのだろう。
不幸中の幸いは昨日が集中講義の最終日で、論述試験は手応えを感じられた。その翌日に体調を崩すとはタイミングがいいと褒めるべきか否か。
とにかく久々の本格的な体調不良に紫音の気持ちは沈んでいく。
エアコンの設定温度を下げすぎてた? 昨日シャワーを浴びた後、なかなか髪を乾かさなかったから?
おそらく睡眠不足もある。試験対策と張り切りすぎたのか。……違う。
本当はここ最近、あまりよく眠れていなかった。凰理とデートした、正確には詩音の存在を知ったあの日から。
紫音は唇を真一文字に結び、枕元においてあるスマートホンを手に持つ。朝に市販薬は一応飲んだが、あまり症状は改善しない。
病院に行くほどではないが、さすがに弱気になる。朝からなにも口にしていないが食欲はまったくない。
実乃梨の顔が浮かんだが、彼女はおそらく帰省中だ。他の頼れそうな友人たちも同じだろう。
こういうとき、なかなか素直に人を頼ることができないのは紫音の性分だった。
あとは、誰が……。
『そういうときは、すぐに俺に電話してこい』
ふと頭を過ったのは、先日凰理から言われたセリフだ。
『どこにいても駆けつける』
しっかりと彼の声で再生され、ほんの一瞬心が揺らいだが、すぐに打ち消す。
紫音は見慣れた天井を睨みつけながら再び寝返りを打つ。エアコンをほどよく効かせているが、寒いのか熱いのかわからない。
紫音は久しぶりに発熱して寝込んでいた。おそらくここ数日の疲れが出たのだろう。
不幸中の幸いは昨日が集中講義の最終日で、論述試験は手応えを感じられた。その翌日に体調を崩すとはタイミングがいいと褒めるべきか否か。
とにかく久々の本格的な体調不良に紫音の気持ちは沈んでいく。
エアコンの設定温度を下げすぎてた? 昨日シャワーを浴びた後、なかなか髪を乾かさなかったから?
おそらく睡眠不足もある。試験対策と張り切りすぎたのか。……違う。
本当はここ最近、あまりよく眠れていなかった。凰理とデートした、正確には詩音の存在を知ったあの日から。
紫音は唇を真一文字に結び、枕元においてあるスマートホンを手に持つ。朝に市販薬は一応飲んだが、あまり症状は改善しない。
病院に行くほどではないが、さすがに弱気になる。朝からなにも口にしていないが食欲はまったくない。
実乃梨の顔が浮かんだが、彼女はおそらく帰省中だ。他の頼れそうな友人たちも同じだろう。
こういうとき、なかなか素直に人を頼ることができないのは紫音の性分だった。
あとは、誰が……。
『そういうときは、すぐに俺に電話してこい』
ふと頭を過ったのは、先日凰理から言われたセリフだ。
『どこにいても駆けつける』
しっかりと彼の声で再生され、ほんの一瞬心が揺らいだが、すぐに打ち消す。