「もう半年くらい前から,前兆みたいなものはあったんですけど。頭痛とか目眩くらいで病院に行くこともないかと思って,放っといたらこんなことになっちゃって。『なんでもっと早く病院行かなかったの!?』って,日奈に怒られちゃいました」
苦笑いしながら,彼女は言った。俺が江畑の立場だって怒ったろう。こんな,命に関わるくらい病状が進む前に受診しろ,と。
それにしても,江畑も彼女の病気のことを知っていたとは……。
「江畑にも話したのか? 病気のこと」
「はい。日奈はわたしの幼なじみで親友なので。わたしのこと,自分のことみたいに喜んだり泣いたり,心配したりしてくれるすごくいい子なんです」
「うん,分かる気がする」
江畑が瑠花に怒ったのはきっと,本気で彼女の体調を心配しているからだ。
「あのね,先生。わたし,死ぬことは怖くないんです。もう覚悟はできてますから」
「そんなこと言うなよ。再検査とか,セカンドオピニオンとか受けたら,まだ希望は――」
「いいんです」
苦笑いしながら,彼女は言った。俺が江畑の立場だって怒ったろう。こんな,命に関わるくらい病状が進む前に受診しろ,と。
それにしても,江畑も彼女の病気のことを知っていたとは……。
「江畑にも話したのか? 病気のこと」
「はい。日奈はわたしの幼なじみで親友なので。わたしのこと,自分のことみたいに喜んだり泣いたり,心配したりしてくれるすごくいい子なんです」
「うん,分かる気がする」
江畑が瑠花に怒ったのはきっと,本気で彼女の体調を心配しているからだ。
「あのね,先生。わたし,死ぬことは怖くないんです。もう覚悟はできてますから」
「そんなこと言うなよ。再検査とか,セカンドオピニオンとか受けたら,まだ希望は――」
「いいんです」