「じゃあさ今のカイリなら、言えるの?」
「今の俺なら……言えると思う」
ニコッとハナは微笑んだ。
「じゃあ、もういいんだよ。そのときのカイリと今のカイリは別人なんだから。今のカイリが言えるなら、昔のカイリを責める必要なんてない。うまく伝えられなかったこと責めなくていいよ。ていうかヒーちゃんのこと傷つけたくて付き合ってたわけじゃないでしょ。好きだったんでしょ?」

「まあ、あんときはそうなのかなって思ってたけど」
「なら、もうカイリがカイリを責めるのはやめなよ。できなかったんだもん。それだけだよ。過去を責めてたら、今のカイリもヒーちゃんも可哀そうだよ。自分にも周りにもひどいことしてる。ていうかさ、そもそも反省するなんて、カイリじゃないよ」とハナがカイリの腕をとると、外へ連れ出した。

引っ張られるように着いて行ってしまったのは、カイリ自身も少し話したいという気持ちがあったからだ。

ハルカが「お帰り、ハナちゃん。あれ? カイリ、今さら混ざるのかよ。線香花火しかないけど」
「早く、早くやるど」とミナトが急かす。

どうやら線香花火をやるのを待っていてくれていたようで、カイリも混ざると円になった。
ヒバリは緊張のせいか、いちばんに火玉が地面に落ちてしまった。