「んっ」
床に雑魚寝していた俺は、窓から照りつける朝日が眩しくて目を覚ました。
「おはよう佳南芽。朝ご飯もうすぐできるからね」
台所にいる風兎が後ろに振り向いていう。
「おはよう風兎。早起きだな」
伸びをしながら、俺は起き上がった。
「佳南芽こそ」
「俺も手伝うよ。何作ってるんだ?」
風兎の頭を撫でて、俺は笑う。
「ハムエッグだよ」
「そうか。じゃあ俺はサラダでも作ればいいか?」
「うん、作って。切り方とか教えるから」
「了解!」
そう言うと、俺はキャベツやトマトやハムを切ったりして、サラダを作った。
「美味しい! 佳南芽って意外と料理できるんだね!」
俺が作ったサラダを食べながら、風兎は言う。
「いやしたことないよ。お前の教え方がいいんだろ。分かりやすい」
「そんなこと言われたら照れちゃうな」
そういって、風兎は顔を赤くして嬉しそうに笑った。
「なんでだよ? 事実言っただけだろ?」
「はぁ……全く、僕の親友はなんでそういうことを恥ずかしげもなく言うのかな」
ため息をついて、風兎は何気ない様子で言った。
「えっ、親友?」
「違うの?」
一筋の涙が頬を伝う。
「えっ、何で泣くんだよ?」
誰かに親友だなんて言われたの初めてだった。なんていえばいいのか全然わからなくて、ただただ無性に涙が溢れ出す。
「ククッ。佳南芽は泣き虫だね」
そういって、風兎は俺の頭を撫でた。
「うっさい!」
俺は涙を拭いながら叫んだ。