何で、何で今なんだ。
朝食戻してから何も食べてなかったからか? 食べてもどうせ吐くのに?
しょうがない。
お茶くらいはのもう。
「風兎、……冷蔵庫開けていいか?」
俺は部屋に戻ると、本当に冷蔵庫を開けに行った。
「あっ、待って。多分何もないよ」
冷蔵庫の中にあったのは、麦茶が入ったペットボトルだけだった。
俺はコップに麦茶をそそいで、それをゆっくり飲んだ。
「ごめん。何か買って来るよ」
麦茶を冷蔵庫に仕舞いながら、風兎は言う。
「風兎、いい」
俺は首を振った。
何かつくてもらっても、朝食を食べた時みたいに吐いてしまう気がしたから。
「えっ? でも佳南芽お腹空いてるでしょ?」
風兎は背伸びをして、軽く俺の頭を小突く。
「遠慮とかいらないから、買い物行ってくるからここで待ってなよ。ね?」
「じゃっ、じゃあ、俺も行く!」
肉でなければ食べられるから、一緒に行って、風兎が肉を買おうとしたらそれはやめるよう言おう思った。
「わかった。一緒に行こう」
そう言うと、風兎は俺の頭を優しく撫でる。
「おう、行こうぜ! この世界の繁華街以外のとこも見に行きたいし!」
わざと上機嫌に振る舞って、俺はいった。
「だからいくって」
そういうと、風兎は肩を落として、呆れたように笑った。
それから俺達は、本当に二人で買い物に行った。
結論から言う。
繁華街以外の外の景色は、俺らが前いた世界とほとんど変わらなかった。
町にあるスーパーに売っているものは野菜やグラタンやカップヌードルなど、様々なものがある。
本当に前いた世界とほとんど変わらない。