和哉の遺体が城島家に運ばれた頃のことである。

「和哉、お父さんとお母さんに……会いたいか?」

「会えるの?」

期待に満ちた目で和哉は士郎に聞いた。

城島家を出てから士郎はずっと考えていた、だが、百パーセント、絶対にとは言いきれないのでその方法を和哉に言おうか言うまいか頭を悩ませていた。変に期待させて、それが叶わなかったときのことを考えると心が痛む。それでも、士郎が和哉にそう話したのは、父親である武雄が和哉に対する心境を缶ビールを飲みながら語ったあの夜、和哉が泣いていたからである。

「わからない、でも可能性はある。それでもやってみるか?」

「うん!」

和哉は元気よく首を縦に振った。