「どうだった?」

城島家から少し離れたところの公園のベンチに座っていた青年が、となりに座る小さな少年に問う。

「兄ちゃん、ありがとう! 母さんは実家で暮らしてて、じいちゃんとばあちゃんがいるけど、父さんはいつも一人だったから心配だったんだ。でも、これで成仏できそうだ!」

「そうか、よかったな」

その少年の頭をくしゃくしゃと撫でるのは城島家を訪れていた居候屋の年若い青年である。

実のところ、本当の依頼人は城島武雄の方ではなく、年若い青年の隣に座る小さな少年──武雄の息子である和哉の方だったのである。





事の発端(ほったん)は、四日前までさかのぼる───。