「もう知らない!」

気まずいことに、修羅場に遭遇してしまいました。

「あの、落ち着いてください。他のお客さんもいますので……」

「うるさい!」

12歳で成人となるこの街。13歳の双子の兄弟は2人でダンジョンに挑んいでいるみたい。

「ギルがいつもノロマだからだろ!」

「兄さんが早すぎるの! いつもいつも先に行っちゃって」

朝から喧嘩は流石に気になり、みんなが止めに入ったが喧嘩が止むことはなかった。

「もういい! もう勝手にしろ!」

飛び出して行ったお兄さん。

弟さんは涙を流すのを堪えていた。

「あの……大丈夫ですか?」

「ごめんなさい、うるさくして」

「僕達は平気だけど、大丈夫なの? お兄さん出て行っちゃったけど」

「大丈夫……じゃないです」

「ですよね……」

「いいんじゃない、たまには。別に喧嘩したことない兄弟なんて居ないだろうし」

ルシアがフォローしている。

「兄弟は喧嘩してお互いの気持ちを知るの。言い合い位どうってことないわ。早く仲直りしてきなさいよ」

「それが出来れば僕だって……」

「はぁ。イブキと一緒にスイーツでも作って持って行ったら?」

「マカロン……兄さんはマカロンが好き」

「じゃあイブキとマカロン作ったらいいじゃない!」

「イブキさん。お願いできますか?」

「良いですよ! でも材料を揃えないといけないので少し出かけないといけないけど」

「じゃあ私が片付けしとくからいってらっしゃいよ!」

「ルシアありがとう。ギルさん、準備してくるので待っててください」

「ほんとにありがとうございます」