ゴブリンが相手だからって、ぼったくる気満々じゃないですか。


何が親切価格ですか。


ここまで酷いぼったくりは見たことがありません!


「ヌウゥ! 高イ! 高スギルゾ! ボッタクルツモリカ!?」


ほら、脳みそがのぼる並のゴブリンキングにも見抜かれています!


さすがに1000Gの剣を、1500Gっていうのはまずいでしょ。


「嫌なら良いんだぜ? その刃こぼれした、壊れかけの銅の剣で人間に勝てるかどうか。今、人間界での主流は、この鋼鉄の剣なんだからな」











そんな高い剣を持ってる人、滅多にいません!


そもそもド田舎のドイナーカ村で、武器を必要としている人なんて、勇者ごっこしている二人くらいしかいないです。


その二人も、鋼鉄の剣なんて持ってないです。


この親父、呼吸をするように嘘をつきますね!


「オ、オノレ……人間メ! シカシ1500Gハ高イ……ウーム」


ミッチェル杉下さんの嘘に惑わされているようですね。


「まあ、じっくり考えな。手下のゴブリン共にはこいつはどうだ? ハンドアックスだ。一つ700Gのところ、今なら600Gにまけてやるぞ」


ハンドアックス!


これもお店で見ました!


確か……一つ300G。


倍の値段で売るとは、ミッチェル杉下さん、なかなか鬼ですね。


ゴブリンキングも頭を抱えて悩んでいますよ。