「……で、回復薬の追加は三つで良いのか? 30Gからは下がらんぞ?」


「イ、イヤ……10個追加デオネガイシマス……」


例の如く、戦闘は割愛です。


ゴブリンなんかが、マスターに勝てるはずがないのに。


前回も痛い目を見て、今回も同じ事をするというのは、きっとあれですね。


本当に脳みそが足りないんですね。


もう、ゴブリンキングも手下のゴブリンも、ボロッボロです。


今なら私でも勝てそうな気がしますよ。


「じゃあ100Gだ。これだけで良いのか? 予備の回復薬や毒消しなんかは不要か?」


自分でボコボコにしたのに、マスターは平然と売り込んでいますね。


おっと、これは正当防衛なので、禁止事項には当たりませんからね?


「クソ……モット良イ武器サエアレバ……今ノ時代、棍棒ヲ使ッテル ゴブリン ナンテイナイゾ」


ゴブリン界もなかなか大変みたいですね。


でも、私達は道具屋なので武器の事は関係ありません。


回復薬代260Gを頂き、取引は成立です。


そして、取引が終わって洞窟から出ようとした時でした。


「ん? なんだ? お前らがいたのか。どうりで出迎えがないはずだぜ」


そう言って私達の前に現れたのは……武器屋のミッチェル杉下さんでした。