「先日、オカシナ二人がキテナ 伝説ノ勇者トカフザケタ事ヲホザイタカラ ボッコボコニシテヤッタワ」


「ほう、そいつは大変だったな。怪我はないか?」


「バカヲ言ウナ アンナ弱イヤツラデ 怪我ナドスルモノカ」


マスターとゴブリンキングが、当たり前のように日常会話をしていますね。


話の中に出ている二人って、もしかしてのぼるズの事でしょうか?


弱いのに魔物に喧嘩を売るなんて無謀な事をするのは、あの二人しか考えられないんですが。


「良いか? ここでは回復薬20個を定期的に納める。それ以外に必要な物は、その時に言ってもらって販売すると言うわけだ」


「な、なるほど……でもマスター、なんだかすっごい見られてるし、今にも襲われそうなんですけど……」


気のせいかと思いましたが、明らかに洞窟の入り口の方から、ゴブリン達がこちらの様子を伺っているのです。


「気を抜くなよ? いくら取引をしているとはいえ、隙を見せれば襲われるんだからな。殺されはしないだろうが、身ぐるみ剥がされてそこらに放置されるなんて良くある事だ」


え。


仮にも取引相手を、そんな酷い目に遭わせるんですか?


やはり魔物ですね。