「着いたぞ、ここだ」


歩き歩いて、体力の限界ギリギリで私達がやって来たのは……洞窟の前。


ははーん……こんな所にいるのは、村の生活が嫌になった、世捨て人ですね?


でも、そんな人がお金なんて持っているんでしょうかね?


そこが気になります。


松明に火を付けて、洞窟の中に入って行きます。


結構深い洞窟なのかなーと思ったらそうでもなくて。


奥の方に明かりが見えて、すぐにそこに着きました。


すると、そこにいたのは……。












「ギギッ。ヨクゾキタ ドウグヤヨ」


岩を削り出した椅子に座っていたのは、偉そうにしているゴブリン?


「ああ、今日は何がどれだけ必要だ? 言ってくれ」


マスターはいつも通りの態度で、それがさも当然のように、担いでいた荷物を下ろしてゴブリンに話し掛けました。


「マ、マスター? 取引相手ってまさか……」


「ああ、今回の取引相手のゴブリンキングだ。俺達は人間だけじゃなく、魔物とも取引をする。知っているだろ?」


た、確かに、世界道具屋大全にはそう書いてありましたけど……実際に魔物と取引するのは初めてです。


魔王なら出来るというのも納得です。