黒いローブに杖、身長は低く、白く長い髪に、しわくちゃな顔。


何だか老人みたいな魔物ですけど、魔王の知り合いみたいですね。


この魔物と会う為に、魔王は店を出たんですね。


私はてっきり、独り言と深夜徘徊で、認知症にでもなったかと思ってしまいましたよ。


「合コンの話はどうでも良いではないですか。それよりも、一刻も早くお戻りください。魔王様が死んだという噂が流れ、我こそが次の魔王だと多くの魔物達が魔王様の地位を狙って暴れております」


「……新魔王かずおか。ふん、大した力もないくせに、野心だけは随分大きいようだな。あんな若造が魔王を名乗るとは」


ふんふん、魔物トークですね。


人間の私には、ぶっちゃけどうでも良い話です。


「知っておられたのですね。しかしかずおでは、屈強な魔王軍を従える事は難しい様子。各地で反乱が起こっております。どうか魔王様、城にお戻りください」


グレゴリーと呼ばれた魔物が、魔王にすがり付くように頼みますが……魔王は冷めたような目を向けています。


「ふん。わしがここにいるのをわかっていて、なぜ早く迎えに来なかった。貴様もわしの失脚を願っていたのではないのか?」


魔王が核心をつきましたよ!


話の続きが気になるじゃありませんか!