のぼるを引きずって、フモートの村に戻った私達は、まずは道具屋に報告です。


「コングデビルと話を付けてきた。これからは時間に遅れたとしても、恐れず行く事だな」


マスターの言葉に、涙を流して道の真ん中で項垂れる中年太り。


それほどまでにコングデビルを追い払った事が嬉しかったのでしょうか。


いや……。










「うおーーーーん、あんまりだぁ! 店が壊されて、どうやって商売を続ければ良いんだよぉぉぉ! 鬼! 悪魔! ハゲ!」








やっぱり店が岩でぶっ壊されたのが涙の原因ですね。


でも、そうと言うのも、この中年太りがコングデビルとの取り引きの時間に遅れたのが原因です!


「……ま、まあ、これでコングデビルの脅威がなくなったんだ。それに、この店の商品は聖なる泉の水で作られているんだろう? 店はなくとも聖なる泉はある。それで良いじゃねぇか。露店からでも、やり直せるさ」


あ、マスターが綺麗にまとめようとしています。


確かに商品さえあれば、商売はやっていけますが……普通の人なら店を潰されて、そう簡単に立ち直れるはずがないですよ。












「そ、そうだな。聖なる泉があるなら、なんとかならぁ。俺の人生まだまだこれからだぜっ!」









普通の人じゃありませんでしたか!


そう言えば、村の安全とマチルダちゃんの裸を天秤にかけて、マチルダちゃんを取るゲスでした!