「キー、キー……」


「キ……キー」


聖なる泉の周りにいた魔物達も、飛び散ったコングデビルのうんこの匂いにやられたようで。


ほぼ全滅。


「ウホ……ウホホ……」


そんな中で、親玉のコングデビルだけはなんとか起き上がれるみたいです。













……まあ、自分のうんこなので自業自得なんですけどね。


「うっ……俺はお前と争うつもりはねえよ。フモート村の道具屋に頼まれてな。この薬を届けに来ただけだ」


道具袋から取り出した小瓶をコングデビルに見せて、ゆっくりと近付きます。


「ウ……ホホ……」


マスターが、うんこの匂いに顔を歪めながらコングデビルに歩み寄ります。


その小瓶を受け取ろうと、手を伸ばしますが……。














ウホウホ、何言ってるのかわからなくて、私には全く話が理解出来ません。


きっと、何かしらの行き違いがあったとは思いますが、マスターにしか理解出来ていませんよ。


「そう言う事だ。いくら時間が過ぎたからって怒ってしまっては、人間は弱いからお前に近付けなくなる。そうすると薬は手に入らなくなるんだ。少しは考えるんだな」


マスターの言葉に、コングデビルはニヤリと笑って手を差し出しました。


その手の人差し指を握って、マスターも笑ったのでした。