「当時俺は若かった……村の安全よりも、一人の女を選んだってわけさ」


いや、一昨日の話ですよね?


しかも、なんかかっこいい風にまとめようとしてますけど、中年太りは覗きに行っただけでしょ?


どこにも共感出来る部分がないんですけど。


顔がどこか二枚目風になっているのが腹が立ちます。


相変わらずチビり続けているのに。


「ああっ! もう焦れったい! で!? マチルダちゃんの裸はどうだったんだよ!」


マチルダちゃんはどうでも良いんですよ!


のぼるは一体何を聞きたいんですか!


「マチルダちゃんの裸は……そりゃあもうマーベラスだったさ。寝ぼけていた俺の心と身体がグッモーニンさ。あの衝撃と興奮……忘れない」


「おぉ……マーベラス」


中年太りものぼるも、何を想像しているのか、うっとりとした表情で笑みを浮かべています。


こんなやつに大役を任せるから、こんな事になってしまうんですよ。


「マ、マスター。どうすれば良いんでしょう」


私が尋ねると、マスターはため息を吐いて中年太りに手を差し出しました。


「……取り引きの物をよこせ。お前が行けないなら、俺が代わりに行ってやる。聖なる泉にはどうせ行くつもりだったからな」


こんなスケベな中年太りの代わりに、私達が危険に晒されるなんて嫌ですが……聖なる雫を持ち帰らないといけないんですよね。