それくらい行けっ!!
うんこの匂いが取れないのが嫌で、村を壊滅の危機に晒してるんですか!
なんて道具屋なんですか、この中年太りは!
「そ、それは恐ろしいぜ……行けないという理由もわかるってもんだ!」
もう、のぼるは黙っててください。
「ところで、のっぴきならない事情って何だったんですか? コングデビルとの約束を守らなければ、どうなるかわかっていたはずなのに」
遅れたらうんこを投げ付けられるって知っているのに、どうして取り引きをしなかったのか、そこがわかりません。
「……黙ってたら死罪なんだろ? わかってるさ。忘れもしねえ……一昨日の朝だ。前日までこの村に滞在していた旅芸人の一座。その中の踊り子のマチルダちゃんがよぉ、皆がまだ寝ている時間に、村はずれの泉で水浴びしてやがったんだ!コングデビルとの取り引きがある……だけど、このチャンスを逃すと、永遠にマチルダちゃんの裸なんて拝めないかもしれねぇ」
……何だか話がおかしな方向に向いて来ましたよ。
マスターも、呆れたような表情を浮かべています。
「お、おおっ! それからそれから!?」
こんな話に食いつくのぼるが、伝説の勇者だなんて世も末です。