こんなにわかりやすく反応してくれたのに、それに気付かないなんて冒険者として致命的な気がするのですが。


ま、のぼるには何も期待していないからそれで良いのです。


「世界道具屋協会の規定は知っているよな?情報の独占は極刑だぞ。店舗は解体され、お前は協会から派遣された刺客に常に命を狙われる。家族もその対象となり、死の制裁を受ける事になるんだ。それでも……良いのか?」














罰則重すぎやしませんか!?


情報を独占しただけで、自分どころか家族まで殺されるとか、どこの裏組織ですか!


恐るべし、世界道具屋協会。


「わ、わかったよ! 情報は教える、だから勘弁してくれ! 全く……どうして俺が情報を握っているのがわかったんだ。あんたエスパーかよ」


あれだけ派手に反応したら、誰だってわかります。


「マ、マスター凄いぜ。伝説の勇者である俺が全く気付かなかったのに……さすがは一流の道具屋だぜ!」


……のぼるは例外です。


「安心しろ、俺に話したと言う事で、情報を独占した事にはならない。ただし、本当の事を話せば……だがな」


マスターの物凄い脅しが、中年太りに襲い掛かります。


どうやら……それだけでチビったようですね。