「ふーむ、村人からじゃあまともな話は聞けんな。魔物が関係しているとなると……道具屋に行ってみるか」


ハゲ頭をポンポン叩いて悩んでいたマスターが、口を開きました。


でも、村人から情報が聞けないからって、どうして道具屋なんでしょう?


「マスター、どうして道具屋に行くんですか?」


「……世界道具屋協会、情報の共有の徹底だ。どんな情報も、商売の為に共有すべしと、世界道具屋大全に載っているだろ?」


ああ、なんかそんな項目を見た事がありました。


いわゆる「道具屋ネットワーク」というやつですね!





【情報の共有について】
道具屋は、他の道具屋との情報を共有しなくてはならない。
その情報によって生じる不利益を防止する事は元より、一個人の利益の独占を防止する役割も担っている。
伝説の道具屋スミス・シュナイダーが仲間に情報を独占され、怒り狂って村を破壊してしまった事を受け、この規定が作られた事はあまりにも有名な事実である。
(世界道具屋大全より抜粋)






そんな事を思い出しながら、私達は道具屋に行く事になりました。


道具屋は、商売の為に村の全ての情報を把握していなければならないという事です!