それにしても、こんな状態で生きているなんて、並のモンスターではありませんね。


となると、選択肢は2つです!


1つは、何も見なかったことにして店に帰る。


もう1つは、とどめを刺して店に帰る。


「いや、助ける選択肢はないんかい!」


おやおや、考えていることがバレましたか!


とりあえず私は、この死にかかっている魔王に、持ってきた回復薬をこれでもかというくらいに飲ませます!


「ゴボゴボ……た、助かったぞ娘よ。ワシは魔ゴボッ! ゲフンゲフン! いや、飲ませすぎだぞ! ワシを溺れさせるつもりかっ!」


口に五本も回復薬の瓶を突っ込んだら、さすがにそうなりますか!


勉強になりました!


「飲ませすぎでしたか! ついついやりすぎちゃいました! テヘペロリンチョ」


可愛く見えるかなと、ペロッと舌を出して見せます。


「しかし助かったぞ娘よ! お前がいなかったから、ワシはお陀仏だったかもしれん! 礼に、お前の望みを叶えてやろうではないか! 殺したいやつはいないか? それとも大陸のひとつくらいくれてやろうか! ふはははははっ!」


むっ! 私のテヘペロリンチョは完全に無視ですか!?