道具屋の開店時間が迫って来て、今日も必死に開店準備です!


「ふはははははっ! 未来よ、今日も清々しい朝だな! おはようございます」


「あ、魔王さん。おはようです。また子供が産まれそうなんだから、休んでいても良かったのに」


魔王が借金返済の為に、真希さんの酒場に転がり込んで、道具屋で再び働くようになりました。


……道具屋ランクは私より上のBランク。


そりゃあね、魔王には道具屋の才能があるのは知ってたし、強いし、わからなくもないですけどね。


後輩に抜かれるのは腹立たしいです!


「ふんっ! 貴様に心配されなくとも、真希なら平気よ! 借金返済の為に、仕事はせねばな」


魔界から離れ、人間界で暮らすようになったからか、紫色だった皮膚の色が浅黒く変わっています。


角とブーメランパンツがなければ、伝説のアーティスト「しげる」級の黒さの人間と思えなくもないのですがね。


「ヘイ! ダディ! お弁当忘れてるよ!」


私と魔王が話していると、小さな女の子がバスケットを抱えて走ってきました。


この子は……魔王と真希さんのお子さんの、魔子ちゃんです。


ちなみに、その後について来ている三人の子供。


「おお、忘れておったわ! すまんな魔子! 魔一郎も魔二郎も魔三郎もご苦労! ふはははははっ!」