不死鳥の羽毛。


キラキラと輝くそれを、死体に振りかけると、飛び上がるようにして魔王が生き返りました。


「ぶるぅぁぁぁぁぁぁぁぁっ!! ハァ……ハァ……こ、ここは……ムッ！ 貴様は未来……真希にマスターまで。何がどうなっているんだ」


そう言い終わるより早く、真希さんが魔王に抱き付きました！


「良かった……元に戻ったんだね、魔王」


「ぬ？ 何を言っておる。だが、魔界に戻って魔王の座を守ってからの記憶が……ワシは何をしていたのだ？」


それが嘘かどうかはわかりませんが、元に戻って良かったです。


「俺達がここに来た時、お前は明らかに正気を失っていた。そして、伝説の勇者のぼるに敗れたというわけだな」


「ワシが……伝説の勇者のぼるに？ふはははははっ！ 冗談も休み休み言え！ あんなゴミカスに負けるはずがなかろう！」


ああ、そう言えば魔王は、強くなったのぼるズを知らないんですね。


「信じようと信じまいと、事実は事実。そしてお前を助ける為に俺は貴重な道具や特別な道具を使ったんだ。この意味がわかるな？」


マスターの言葉を、にわかには信じ難いと言った様子で、顔を引きつらせた魔王。


やはり負けは認めたくないのですね。