「み、見事だ。伝説の勇者のぼるよ。まさか……ワシが敗れるとはな。だが、魔族は潰えん……いつの日か、ワシを超える新たな魔王が生まれるだろう……ふはははは、ふはははははっ! ぐふっ!!」


あ、魔王が死にました。


今、ぐふっ! とか言ったから、間違いないです。


「やったぞ……魔王を倒したんだ」


「被害はあまりにも大きかったけどな……だが、皆の死は無駄じゃなかった。帰ろう、俺達の村へ」


勝手に話を良い感じに持って行って、グリフィンの羽根を使ってのぼるズは戻って行きました。


私達がここにいる事に気付かない辺りは、さすがのぼるズって感じですね。


今頃、ゲームで言えばエンディングを迎えている所でしょうか?


「ま、魔王! 大丈夫かい!?」


誰もいなくなった中、真希さんが魔王に駆け寄ります。


でもさっき、死んだ感じだったからもう返事はないでしょう。


「ちくしょう! なんで死んじまうんだよ! この子はどうすれば良いんだよ! あんたがいなきゃ、私はどうすれば良いんだ!」


愛する人が死ぬと言うのは、辛いものですね。


伝説の勇者の戦いは、止める事が出来ないし、成り行きを見守る事しか出来ないのです。