そんな事がありまして、やっとメアリーおばあちゃんの家に到着しましたよ。


「ふははははっ! 魔王様が直々に来てやったぞ! 開けよ! 開けぬかメアリー! ぬうっ! かくなる上はこの家ごと消滅させてくれるわ!」


ドンドンとドアを叩きながら、やっぱり短気な魔王が家ごと消滅させようと魔力を溜めます!


「魔王さんはどうしてそんなに短気なんですか! メアリーおばあちゃんは足が悪くて、歩くのも辛いから、配達を頼んでるんですよ!」


「娘よ……そういう事は早く言え。危うく家どころか、世界の半分が消滅する所だったぞ」


ドアが開かないくらいで、なんでそんなに本気になってるんですか!


「この家は、ドアをノックしたら中に入れば良いんですよ。メアリーおばあちゃん、配達に来ましたよ」


魔王を押し退けて家の中に入ると、メアリーおばあちゃんはベッドから足を下ろし、入り口を見ていた。


「未来ちゃん、待ってたわよ。なんだかおっかない声が聞こえたけど……あれは何だったのかしら?」


プルプルと震えながら、穏やかな笑顔を私に向けて、首を傾げます。


「ふはははは! きっと外で頭のおかしなやつが騒いでおったのだろう! しかし安心しろメアリーよ! この魔王様が貴様にパンを届けに来てやったぞ! ありがたく思え!」