「まだ死んでもらっちゃ困るんだよ。真希を一人にするつもりか」


もう、マスターもどうして良いのかわからないんでしょうね。


再び道具袋から、きったねえ団子を取り出すと、高笑いしている魔王の口に投げ付けます!


「んがぐぐっ!」


あ、また入った。


「ぐわああああああっ! 身体が焼けるっ! 力が、力が湧き上がって来るぅぅぅぅぅっ!」


ドーピングじゃないですかこんなの。


きったねえ団子を食べた魔王の身体と魔力がさらに膨れ上がります!


獣のように四つん這いになり、理性を失ったような目。


もう完全に魔物と化した魔王を前に、のぼる達は唖然としています。


「ま、まだ死なないのかよ……」


RPGではあるあるの絶望感ですね。


つかの間の平和が終わりました。


時間にして、15秒の平和でしたね。









「ハァ……ハァ……グルルルルルルルァゥッ! グアアアアアアアアッ!!」







ドーピングした魔王の真の姿ですね!


でもマスター、考えてみてください。


こんな巨大な魔物を、真希さんは望んでいたわけじゃないと思うんですけど。


これじゃあ、たとえ魔王が勝っても、真希さんは嬉しくないんじゃ……。