何の見せ場もなく、一番頼りになりそうな旅の戦士でさえこの最期。


「マ、マスター。これ、魔王が強くなり過ぎてませんか? いくら何でも、反則な気がするんですけど……」


「……な、何とかなるだろう」


意外と無責任ですね!


マスターが戦うなら、まあ何とかなるかも知れませんが、戦っているのはのぼるズですからね!?


何ともなるわけがないじゃないですか!


「リチャードオオオオオオオオッ! この魔王っ! てめぇ魔王! このっ、てめこの魔王このっ!」


何を言いたいかわかりませんが、どれだけ怒っているかはわかりますね。


「このままではまずい! 連携攻撃を仕掛けるぞ! サヤカ! 氷魔法で魔王の炎に対抗してくれ!」


おっ?


山岡さんが指示を出しましたよ!


のぼる達がどんな戦法を得意としているかわかりませんが、なんだか良さそうな気がします。


「ふはははははっ! どんな攻撃を仕掛けても無駄よ! この魔王に敵う者などおらぬわっ! 死に絶えよ、伝説の勇者のぼるよ!」


魔王も良い具合に調子に乗ってますね。


再び口から炎を吐き、それが山岡さんに襲い掛かります!!


でも、それが山岡さんに直撃する寸前……分厚い氷の盾が、炎の進路を塞いだのです。