勇者御一行を見送り、全員が階段の先の闇の中に入った事を確認した私達は、店じまいをしてその後を追います。


あの人数です……きっと魔王も苦戦するに違いありません。


「マスター、魔王は大丈夫かな? 流石にあいつらが相手じゃ、やられちゃうんじゃないかな」


「何とも言えんな。のぼる達の実力はこの前見た通りだが、魔王の実力は未知数だ。未知数って事は、それよりも強いかもしれないが、弱いかもしれん。だから……俺達道具屋がいるんだ」


ん?


マスターの言っている事が少しわかりません。


伝説の勇者と魔王が戦うから、私達道具屋が必要だってどういう事ですかね?


世界道具屋大全は一通り目を通したはずですし、そこには勇者と魔王について触れてはいなかったはずですけど。


何か隠しているのですかね、このハゲは。


そして再び結界から出た私達は、こっそりと魔王がいるあの空間へと向かいます。


階段を上り、闇の中に入ると……そこには衝撃的な光景が広がっていました。









「ふ、ふはははははっ! 流石は伝説の勇者よ。ワシをここまで追い詰めるとは!」









一体何が起こったのか、魔王は満身創痍。


ですが、勇者軍も残っているのはのぼるズと旅の戦士、魔道士だけ。


他は全員骨になっていました。