結界に移動した私達は、のぼる達が来るのを待つ事に。


こんな事になるなら、のぼる達より先に来るんじゃなかったですね。


一体いつになったらここにやって来るのか。


元が元だけに、あまり期待も出来ないんですけどねー。


明け方に作ったパンを、三人で食べながら長期戦の構えです。


「それにしても、魔王が覚えてないなんて悔しいね。早くのぼるが来ないもんかね!」


真希さんがイライラしています!


今にも暴れだしそうですよ!


「まあまあ、だってあののぼるですよ? 伝説の勇者だからって期待したら、5歳児でも勝てるスライムに大敗北したのぼるですよ? 気長に待つしかないです。下手すれば、まだ村から一歩も出てない可能性だってあります」


口に出してみて、本当にありそうで怖いです。


どうかそんな事にはなりませんように。


と、私がのぼるの過去の失態を思い出していた時でした。


「むっ! 伝説の勇者御一行が……ついに到着だぜ」


マスターが指差した先には……やけに男前な顔をしているのぼるズと、その仲間らしき人の姿が見えました。


仲間を引き連れて来るとは、どうやら本気のようですね。