グレゴリーさんが言ったように、私達の事を覚えていなかった魔王。


これは……一体どうすれば良いのでしょうか?


「ククク……その顔だと、魔王様に追い返されたようだな。忘れていると言ったのに無駄な事を」


「うーむ、俺達ではどうする事も出来ないな。とりあえず聖なる力の結界まで戻って、のぼる達を待つしかないだろう」


「悔しいね! 魔王をどうにかするのに、のぼるなんかを頼らなきゃならないなんてさ!」


あのー、マスターに真希さん。


グレゴリーさんを無視しているから、今にも泣き出しそうですよ。


少しくらい混ぜて話をしてあげないと。


「むっ、そうだグレゴリーとやら。俺は道具屋だが、回復薬はいるか?」


さすがマスター抜け目ない!


ダメージを与えたのは真希さんだから、私達道具屋は遠慮なく道具を売り付ける事が出来るんですね!


「あ、じゃあ一つ貰おうかな」


「超回復薬しかなくてな。1個1000Gだ。効果は保証するぞ」


魔物にも道具を売り付ける事で、稼ぎを増やそうという手法です。


世界道具屋協会も推奨する、魔物との取り引きですよ。


グレゴリーさんから1000G頂いて、超回復薬を渡しました。