「ま、まいった……」


もう、何もしていないのにグレゴリーさんはボロボロです。


やはりアキレス腱固めは最強の技だという事ですね。


どんな魔物も、これを決められたら負けが確定します。


「悪いなグレゴリー。俺達は魔王を滅ぼす為に来たわけじゃない。ただの友人として、ここに来ただけだ。通させてもらうぞ」


アキレス腱固めの威力で、失禁してしまったグレゴリーさんに語りかけるマスター。


階段を見上げて、移動を始めようとしたその時でした。


「ククク……行くが良い。だが、その階段を上った先に、貴様らの知っている魔王様はおるまい!」













な、なんですって!


来ましたよ、かなりベタな展開が!


「それはどういう事ですか! 魔王さんは魔王さんでしょう!?」


「ククク……魔王様は、魔界に戻られて、魔王様の座を狙う、のりお、ゆたか、まさる、ひろみち、ともや、たくや、かずふみ、げんぞう、たけしという数々の魔物を倒し、完全なる魔王様になられた。もう、過去の事は覚えておるまい」


グレゴリーさんの口から語られた衝撃の事実!


私の事は忘れないと言っておきながら、忘れちゃったと言うんですか!?


許せません!