身長が低い、魔道士のような雰囲気漂う緑色の魔物、グレゴリーさん。


真希さんの言葉が相当ショックだったのか、微動だにしません。


「あ、あのー……グレゴリーさん? 大丈夫ですか?」


「はっ! 思わず魂が抜けかけておったわ! おのれみのるめ! 自分は隠れてなんて楽しそうなことを……いや、そうじゃない! このアバズレが魔王様をたぶらかしおって! 貴様の狙いはなんだ! 金か! 金なんだな!? 貴様のような遊女は、いつも金目当てだ! 毎週通って指名していたアリサちゃん……ワシの事を好きだって言ってくれたじゃないかぁっ! どうして店を辞めたんだよおおおおおっ!」


私が声をかけると、ハッと我に返った様子で真希さんをディスり始めました。


ほとんど私情のようですが、きっとアリサちゃんはグレゴリーさんが好きなのではなく、(指名してくれる)グレゴリーさんが(お金を稼がせてくれるから)好きだったんですね、きっと。


「誰がアバズレだ! とにかく魔王に会わせてもらうよ! このまま帰るわけには行かないからね!」


と、アバズレ扱いされた真希さんが、グレゴリーさんの横を通り過ぎようとした時ですよ。


「待て、ここは通さんと言っただろう。しかしそういう事なら話が早い。貴様もろとも、その腹の子を消してしまえば……魔王様に会う事も叶わぬという事だ」