「いらっしゃいませ! 超回復薬はいかがですか!?」


遭遇した屈強な魔物に、丁寧な接客をしながらも拳を叩き込みます!


「お疲れなら、パワードリンクもありますよ! 一本いかがですか!?」


マスターの10倍はあろうかという魔物にも、丁寧な接客とソバットは忘れません!


道具屋根性凄まじいですね。


「いやあ、それにしてもやっぱりマスターは強いね。魔界の魔物がまるで子供扱いだ」


真希さんが感心しながらマスターの戦闘を見ていますが、私は知っていましたからね。


私が感心しているのは、商売人根性です。


こんな時にも道具を売るのを忘れていませんからね。


「またおこしください! 次は何か買ってくださいね!」


お別れの挨拶と共に、真っ赤に燃えるマスターの右手が、魔物にめり込みました!


そして魔物は激しく後方に吹っ飛び、私達の前から姿を消したのです。


「ふぅ……おい、もう出てきて良いぞ。俺が三発も叩き込まなきゃならんとは、さすがは魔界と言ったところか」


無傷でその魔物を倒すマスターは何なんですかね。


もう、人間の限界を超えてしまっているような気がしますけど。