その時から、私達は魔界に向かう為の準備を始めました。


特例条項……特に、この魔界に行く時は、店で販売している道具以外の物を販売出来るので、道具の選別にも頭を悩ませます。


店の中でマスターに伺いながら、荷物を袋に詰めます。


「えっと、超回復薬と魔力回復薬、不死鳥の羽毛(蘇生アイテム)……あ、マスター。パワードリンクはまだですか?後はそれだけです」


持って行く物を確認しながら、作業場にいるマスターに声をかけました。


「今やってる。まだ時間はあるんだ。そんなに焦るんじゃねぇ」


道具制作は猛烈な集中力と勘が必要ですからね。


すぐ作れと言って作れるものじゃないのです。


それに、世界道具屋協会から通知が届いていないですしね。


通知が届かないなら、私達は魔界に行く事が出来ませんからね。


無許可でそんな事をしたら、私達は道具屋ライセンスを剥奪されてしまいますよ。


だから、通知が届くまでにゆっくりと道具を作れば良いという事ですね!


「じゃあ後は……マスター待ちです。ゆっくり待つとしましょうかね」


なんて一息つこうとしていた時でした。


店のドアが開いたのです。