のぼるズの実力を確かめる為に、皆店の外に出ました。


私と真希さんは戦うわけじゃないので、三人の戦いを見ます。


「ヘイヘイ、道具屋が相手だからって、容赦はしないぜ? 死んでも恨むなよ?」


「道具屋のマスターに勝てなくて、魔王に勝てるはずがない。俺は手は抜かないぞ!」


のぼるも山岡さんも剣を抜き、マスターを挑発します。


「なかなか良い闘気じゃねえか。10年振りに本気を出してやるかな」













あ、こりゃあのぼるズの負けですね。


10年振りという事は、ドラゴンを倒した時も、聖なる雫の時も、本気じゃなかったって事ですよね。


ゴキゴキと首の骨を鳴らして、二度右手を振った次の瞬間。


マスターの姿が消え、のぼるを殴り付けて地面にめり込ませていました。


のぼるも山岡さんも反応すら出来ずに、半笑いのままで。


さらに振り下ろした拳が、山岡さんを叩き伏せて、あっという間に決着です。


必殺のワンインチパンチを出すまでもなかったですね!


いやあ……こればかりはのぼるズが弱いんじゃなくて、マスターが強すぎるんですよね。


もはや、人間の強さの範疇ではないです。


「あちゃあ……あいつら何も変わってないじゃないか。これじゃあ魔界には行けないかね」


真希さんもその姿にガッカリです。