「そんなの無理じゃないか! のぼるって、あのへっぽこ共だろ!? スライムにも勝てないうんこ勇者だって聞いたよ! そんなの……永遠に魔王に会えないじゃないか」


散々な言われようですね。


まあ、スライムに勝てなかったし、何度もうんこまみれになっているから、間違ってないです。


というより、もう本当にその通りなんですけどね。


「うむ、だから問題なんだ。伝説の勇者があれじゃあ、俺が魔界に行く許可もおりないだろう。あいつらが魔王と戦えるくらい強ければ……」


と、マスターがハゲ頭をボリボリ掻いて考え込んだ時でした。


店のドアが開き、八等身のスタイリッシュなお客さんが二人入って来たのです。


「あ、い、いらっしゃいませ」


見た事もない冒険者風の二人に挨拶をしましたが……。


「マスター、未来、俺は戻ってきたぜ」


……こんなスタイリッシュな人達、初めて会ったんですけど。


どうして私の名前を知っているのでしょう。


「!? もしかしてあんた達……へっぽこ勇者ののぼる達かい!?」


真希さんがそう言うと、二人は笑みをこぼして私達を見回します。


「魔王を倒す為に、俺は強くなった。次は負けない!」