「おやおや? お世話になった私達への感謝のお手紙ですかね? 魔王もなかなか可愛い所があるです」


なんて言ってますけど、魔王は意外と紳士なんですよね。


適応力もあるし、気遣いも出来るし、何より優しいんですよ。


だから、読まなくても何が書いてあるかはわかります。


そんな事を考えて、その紙を開いてみると。










『ふははははははっ! ワシだ、魔王だ!』











ええ、知ってます。


てか、手紙の中でも笑っているんですね。


『この手紙を貴様が読んでいるという事は、ワシはもうここにはいないのだろう』


なんか、死んだ人みたいになってますけど……まあいいです。


『なかなか悪くなかったぞ、人間と過ごすこの数ヶ月は。いや、マスターと未来という有能と無能のアンバランスさが良かったのかもしれぬ』


……どっちをディスってるんですかね、これは。


もしかして魔王は、私をずっと無能だとか思ってたんですか!?


殴ってやりたいです。


『初めて、友人というものが出来た気がした。調子に乗って酒場に行ったりもした。そして、朝までパーティもした。思えば、魔王にあるまじき行為だったと反省している』


めっちゃエンジョイしてたんですね。