バキッ!!


ああっ!


魔王の頭部に直撃して……砕け散りました!!













ハンドアックスが。












なんて石頭でしょうか!


それとも、ハンドアックスが攻撃に耐えられないほど脆くなっていたのかはわかりませんが、これはのぼるズ最大のピンチですよ!


「ええい! チョロチョロと鬱陶しいわ! ふっ!!」


山岡さんを嬉々として殴り続ける魔王が、のぼるに息を吹きかけると、その吐息だけで、舞い散る木の葉のように吹っ飛んで行きました。


弱い弱いとは思っていたけど……魔王を倒す伝説の勇者がこんなに弱くて良いんですかね?


山岡さんの方も、魔王に殴られ続けて顔面パンパンです。


もう、山岡さんだとわからないくらいに顔が腫れ上がっていますね。


「ふははははははっ! 何が伝説の勇者だ! 何が山岡だ! ワシは貴様にパンを配達していた道具屋ではない! 魔王だ! 勇者などというたわけた血を根絶やしにするのが本業なのだ! くらえ! ワシの新技を!」


散々殴った後、山岡さんからピョンと飛び退いた魔王は、素早くその足を取り、脇で固定しました!


こ、これは……マスターがグリフィンに炸裂させたという、アキレス腱固めですっ!