「じゃあ、真希さんはあのままで良いんですね? 魔王さんは大人ですねえ」


もしもこれがのぼるなら、「一緒に来てよぉっ!」とか言いそうですけど、そこがのぼると魔王の違いです。


「くどい! さあ、バリバリ働こうではないか! 今日でワシもこの店から去るのだからな、悔いの残らぬよう働いてみせるぞ!」


……なんだかんだ言って、魔王もこの道具屋が気に入ったみたいですね。


そうでなければ、こんなにやる気で仕事に取り組まないと思いますから。


ちょっと……寂しい気もします。


「そうですね。じゃあバリバリ働きましょう! 私の指導は最後までぬかりないですよ!」


「ふははははははっ! 貴様の指導などもう必要ないわ! 今ではワシの方が道具屋としてのスキルは上よ!」


くぅっ!


なんて可愛げのない事を言うんですかね!


後ろから鈍器で殴り付けたい衝動にかられます。


でも……魔王の言う通り、私よりも道具屋としてのスキルは上!


なぜか検定に合格して、道具屋ランクCになっているのがムカつきますけど。


魔王にそんなスキルが本当に必要なんですかね?


才能の無駄遣いとはこの事です。