初めての調合で、高性能な回復薬を作ってしまうなんて、私はもしかして物凄い才能があるんじゃないでしょうか!


でも、マスターは顔をしかめて、ハゲ頭をポリポリと掻いています。


私の才能を目の当たりにして、衝撃を受けているのですかね?


「うーむ……回復薬を作るつもりだったからな。高性能品は正直扱いが面倒なんだ」















おやおや、嫉妬ですか?











私が一発目で高性能品を作ってしまったから、優秀な芽を早いうちに摘もうって事ですかね。


「面倒ってどういう事ですか? 高性能品が作れるなら、それの方が良いと思うんですけど」


「……この店が田舎じゃなけりゃな。うちの店では、回復薬と毒消し、麻痺消ししか売る事は出来ねえ。作ってしまった高性能品は、世界道具屋協会に送らなけりゃならないんだよ」


あー……そう言えば、世界道具屋大全に書いてあったような気がします。


道具の調合が出来る道具屋が、その店で取り扱えない高性能品を作ってしまった場合、販売は出来ない。


世界道具屋協会に送られ、そこから、その道具を取り扱っている店に割り振られる。


ちなみに、店頭で販売する30%の金額が世界道具屋協会から支払われるんです。