「ん? おい、未来。これは本当に分量が合っているのか? 回復薬にしては、随分鮮やかな青色だが……」


「え? グリーンリーフ5枚に、イエローリーフ3枚ですよね? 間違って無いはずですけど」


なんだかマスターの表情がおかしいです。


驚いたような……不思議そうな。


「……まあ良い。じゃあこれを、ガーゼに包んで400ccの湯の中に入れて、じっくりと成分を抽出するんだ。5分ほど待てば出来上がりだが……」


言われるようにガーゼに包んで、火をおこしてお湯を作ります。


沸騰するまでに時間が掛かりますから、それまで待機ですね。


「回復薬の精製は思ったより簡単なんですね。これなら私にも出来そうです」


初めての調合で、なかなか上手く出来たんじゃないかなと思ったのです。


「まあ、上手く出来たかどうかは、抽出してからだな。煮出してみるまで効果はわからん」


マスターでさえ、そんなもんなんですね。


でも、安定して回復薬をお店に出しているのだから、確実に回復薬を作れているという事です。


そう考えるとマスターはやっぱり凄いんですね。


そんな事を考えていると、お湯が沸いたようです。


私はそこに、ガーゼに包んだリーフを入れました。