魔王をお店に連れ帰り、正座をさせてお説教です。


「良いですか魔王さん! 人に迷惑をかけて商品を売ろうなんて事は絶対にしてはならないんです! 道具屋として、恥ずかしいと思ってくださいよ!」


「お、おのれ……この魔王が正座をさせられるとはなんたる屈辱! ワシがこんな目に遭ってるのも、ドラゴンがヘアワックスを……」


ほう、自分の失敗を他人(ドラゴン)のせいですか、そうですか。


だけど、いつまでも怒っていては、魔王が一人前になりません。


早くお店に慣れてもらうのも大事ですし、道具屋のルールも覚えてもらわなければ。


「失敗すれば、人は大きく成長出来るとマスターが言っていました。だから魔王さんも、次からは気を付けてくださいね」


「こ、このワシが人と同率に扱われるとは! 魔王屈辱!」


よほど感動したのか、涙を流して喜んでいますね。


そう思うなら早く道具屋の仕事を覚えてほしいですが。

「それじゃあ、道具屋のお仕事を教えて行くです。道具屋には、店番と配達、素材集めと商品の製作というお仕事があります。マスターが商品を作るので、私達のお仕事はそれ以外の三つになるのです」


魔王が来て、バタバタしたけれど、やっとお店の仕事に入れそうですね。