「お、見てみろ未来。これはカイフクの実だ。こいつはな、これを搾るだけで回復薬になるという優れ物だぞ。まあ、味はそんなに良くはないがな」
他の木と比べると、少し頼りなく見える細い木に、赤く、じゃっくりと割れた実がいくつもなっていました。
「へえ、これがカイフクの実ですか。確か、イエローリーフと煮込むと、上回復薬になるんですよね?」
本で見た事はありましたが、実物を見るのは初めてです。
「うむ。それだけじゃない。グリーンリーフと合わせてすり潰すと毒消しにもなるし、レッドリーフと一緒に生で食べると精力剤にもなる。これ一つで多くの薬が作れる優秀な実だ」
へぇ……そこまでは知らなかったです。
さすがはマスター、道具の知識が凄いです。
「じゃあ、この実を全部持って帰りましょう。色んな薬が作れるなら、持って帰らない手はないです!」
滅多にお目にかかれないレアな素材を目にした私は、はしゃぎながら実を取ろうと手を伸ばしましたが……マスターが、私の腕を掴んでそれを止めたのです。
「いや、これはそのままにしておく。俺達道具屋は、これを商売道具としては使わない。その意味は……わかるな?」
他の木と比べると、少し頼りなく見える細い木に、赤く、じゃっくりと割れた実がいくつもなっていました。
「へえ、これがカイフクの実ですか。確か、イエローリーフと煮込むと、上回復薬になるんですよね?」
本で見た事はありましたが、実物を見るのは初めてです。
「うむ。それだけじゃない。グリーンリーフと合わせてすり潰すと毒消しにもなるし、レッドリーフと一緒に生で食べると精力剤にもなる。これ一つで多くの薬が作れる優秀な実だ」
へぇ……そこまでは知らなかったです。
さすがはマスター、道具の知識が凄いです。
「じゃあ、この実を全部持って帰りましょう。色んな薬が作れるなら、持って帰らない手はないです!」
滅多にお目にかかれないレアな素材を目にした私は、はしゃぎながら実を取ろうと手を伸ばしましたが……マスターが、私の腕を掴んでそれを止めたのです。
「いや、これはそのままにしておく。俺達道具屋は、これを商売道具としては使わない。その意味は……わかるな?」