こちらの戦闘も割愛です。


なんせ、ゴブリンキングの鋼鉄の剣の一振りで、のぼるズは活躍する暇もなく倒れたのですから。


部下のゴブリンに洞窟の外に運び出されて、どこかに捨てられたようです。


……武器と金を奪われて。


「ふぅ……来たのがあいつらで良かったってところか。で? どうする? なかなか使い勝手が良かっただろう」


「ソウダナ……少シ高イガ、気ニ入ッタゾ。ハンドアックスモ フタツモラオウカ」


本当に、来たのがのぼるズで良かったですね。


ミッチェル杉下さんも、ぼったくりが思いのままです。


ゴブリンキングからお金を貰い、ホクホク顔のミッチェル杉下さん。


我々のここでのお仕事は終わりです。


「ではな。またひと月後に来る。それまでお互いに生きていると良いな」


「道具屋モ武器屋モ、次ハモット安クシテクレヨ」


実に簡単なお仕事でしたが……私一人で出来るかと言われたら多分無理ですね。


こんな狂暴なゴブリンキングと交渉なんて。


交渉を終えて、洞窟から出て、ドイナーカ村に戻ります。


森から出ようと歩いていた時でした。


「うーん……」


と、誰かが唸っているような声が聞こえたのです。