「うすぎたねぇゴブリンどもめ! 今日こそお前らをぶっ殺して、女の子にモテる足がかりにしてやる!」


ん?


この声と、物言いはどこかで……。


「俺の栄光の道はここから始まる。闇に巣食う醜悪な魔物どもめ、我が剣のサビになる事を光栄と思うがいい!」


……もう一人の声も知ってます。


そっと椅子の陰から、やって来た人間というのを見てみると……。













頭ん中が暖かい二人がいました。


のぼるズです。


「貴様ラ……先日ボッコボコニシテヤッタ人間共カ。二度ト来ラレヌヨウニシテヤルワ!」


「フッ! 先日までの俺達だと思うなよっ! 見ろ! 新しい武器のハンドアックスと鉄の剣だ!」


のぼるが自慢げに新しい武器を見せますが……なんというタイミングでしょうか。


ゴブリンキングは、今借りたばかりの鋼鉄の剣を振り回し、のぼるズの前に立ちはだかったのです。


「あいつら、死んだな」


武器を貸したミッチェル杉下さんが、ボソッと呟きました。


「えっ!? な、なんでゴブリンがこんな高価な武器を持ってるんだ!?」


私達の商売のおかげで、のぼるズは大慌てですね!