その後は一族の若者から賛同を得て仲間を増やしていて、神社にも来ていたんだけど彼女はもう来なくなっていた。

俺は、碧が好きだ……隣にいて欲しいのは碧だけ。

だから、結界が強力な桜堂家へとやってきていた。きっと碧は帰っているはず……ああ、さすが退魔士一族の屋敷だ。妖力消耗が激しい。


「柊っ!」


……会いたかった彼女が目の前にいる。


「会いたかった、碧……っ」

「ちょっと来て!!」


碧に強く手を掴まれ、引っ張られる。そして妖力を回復にいい桃の木の近くに連れて行かれた。少し疲れてたし、助かったかも……。