最も、当時のプライベートは今の現実だけども。
理想は理想。プラスは感じられない。
「呼びたくないと?」
「そういうわけではありません。純粋な疑問です」
「なら、答える義理はない。君が知っている回答そのものだ」
自分の中にある感情は、新たに蓄積されたものばかりではない。それを示すための言葉だと、私は想像した。
私は、彼が私に『先生』と呼ばせる理由を知っていた。
私は、教師としての今城想の、理想の生徒でもあるから。
だから私は今城先生が勤めていた学校の、セーラー服を着ている。私は彼を「先生」と呼ぶ。そのくらいの理想は、今も叶え続けてあげてもいいと思っているから。
「……私という存在は、運営ゲーム一つにつきに一人、必ず存在するガイドです。名は、先生によって付けられましたが」
「そうだ。そして、ゲームの数だけガイドがいる事実を、全て一人のガイドだと認識し、僕自身の中でねじ曲げている」
「生徒は教師から学ぶものです。ですがガイドは、運営者を導くもの。立ち位置からして、生徒とガイドは全くの逆です」
「構わない。両方を兼ね揃えているのがユウだ」
「まあ、私はアナタの思い通りに動いていましたからね。その願望を拒否しない限り、その考えは間違っていないでしょう」
「拒否する気は?」