「パパ!」

俺にそう叫んだあの女の子の顔を、俺は一生忘れないだろう。

ある日突然、俺たち兄弟は、結婚や妊娠や出産などを吹っ飛ばして、いきなり四歳の双子のパパになった。

娘は「ばか、きらい!」とか言ってくるし、息子は「おなかすいた」と泣き出すし……どうしたらいいんだよ?

けれども、最初に俺をパパと叫んだときの顔が――笑顔の中のきらきら光る瞳の奥に隠した、頼りなくて、儚げで、いまにも泣き出しそうな気持ち、全部を込めてスーツの俺にしがみついたあの顔が、俺の身体だけでなく、心まで握りしめている。


これから話すのは、双子の成長物語……ではない。

双子たちと一緒に、泣いて、笑って、走り回って、ご飯を食べて、少しずつ一緒に成長していく、新米パパたちの成長物語――。