テスト期間が終わって、ようやく手に入れた自由を元手に、俺は今度こそ、本当にマシンの制作にとりかかるはずだった。
足回りとして必要なタイヤも買ってきていたし、取り付け位置も決めてあった。
あと考えないといけないのは、弾となる硬式ピンポン玉の補給方法と、もう一つ、そろそろ実戦練習用の、的を用意しないといけないな。
学校ラインからのメールが届く。
『夏休み補講対象生徒のみなさんへ』だって。
ふざけんな。
だけど開封確認のフラグが立っているから、開かないとマジで担任から直電がかかってくる。
開いてみると、補講の日程と時間割が、ご丁寧に個別に送られて来ていた。
舌打ちする。
まぁでも、これで学校には、サボらないで来ないといけなくなったわけだし、補習は午前までの一週間だけだし、このスケジュールだったら、午後からは作成に集中できるな。
「吉永も補習組かよ」
同じクラスの渡部が言った。
「なぁ、補習始まるまで、一緒に遊ぼうぜ」
「おう」
渡部はフットサルに所属しているが、補習の終わるまでは、部活も禁止されてしまっている。
その間に真面目に勉強しとけってことなんだけど、まぁそれで本当に勉強するような奴らだったら、最初っからこんなことにはなってないよな。
渡部はさっぱりとしたこだわりのない奴で、クラスのなかじゃ普段はあまりしゃべらないけど、何かがあればこうやってくっついたり、グループの組み合わせで一緒になることもあった。
「ワ」と「ヨ」で、出席番号が近かったせいもある。
都合がいいと言えば、そうなのかもしれない。
だけどそれはお互いさまで、今はそうやって声をかけてくれた渡部の存在が、俺にとってはありがたかった。
これで一緒に、補習を受ける相手がいる。
一人になることはない。
足回りとして必要なタイヤも買ってきていたし、取り付け位置も決めてあった。
あと考えないといけないのは、弾となる硬式ピンポン玉の補給方法と、もう一つ、そろそろ実戦練習用の、的を用意しないといけないな。
学校ラインからのメールが届く。
『夏休み補講対象生徒のみなさんへ』だって。
ふざけんな。
だけど開封確認のフラグが立っているから、開かないとマジで担任から直電がかかってくる。
開いてみると、補講の日程と時間割が、ご丁寧に個別に送られて来ていた。
舌打ちする。
まぁでも、これで学校には、サボらないで来ないといけなくなったわけだし、補習は午前までの一週間だけだし、このスケジュールだったら、午後からは作成に集中できるな。
「吉永も補習組かよ」
同じクラスの渡部が言った。
「なぁ、補習始まるまで、一緒に遊ぼうぜ」
「おう」
渡部はフットサルに所属しているが、補習の終わるまでは、部活も禁止されてしまっている。
その間に真面目に勉強しとけってことなんだけど、まぁそれで本当に勉強するような奴らだったら、最初っからこんなことにはなってないよな。
渡部はさっぱりとしたこだわりのない奴で、クラスのなかじゃ普段はあまりしゃべらないけど、何かがあればこうやってくっついたり、グループの組み合わせで一緒になることもあった。
「ワ」と「ヨ」で、出席番号が近かったせいもある。
都合がいいと言えば、そうなのかもしれない。
だけどそれはお互いさまで、今はそうやって声をかけてくれた渡部の存在が、俺にとってはありがたかった。
これで一緒に、補習を受ける相手がいる。
一人になることはない。